元山岳ガイドとして

登山靴

 今の日本では
より高くより困難な状況を求める
ヨーロッパアルペニズムを頂点とした
登山専門店では飯は食えない。

 たとえばチョモランマにても
毎年500名前後の人が登頂している現状
マスコミも大した反応を示さないし
話題にならなければスポンサーもつかない。

 まあランクルを買えるお金と2ヶ月の休み
そして幸運があればだれでも登れるわけで
医者などのナルちゃんな富裕層の世界になっている。
 (私は文化へのレイプだと思うが・・・)

 しかし今の日本は山ガールをはじめ
「征服」ではない「満足・癒やし」が主流になり
ヨーロッパ貴族発祥の「登山」から
日本庶民の「物見遊山」へ帰っている様に感じる。

 登山道具だけを買うのであれば
ネットでより安く買うことが出来る。
山道具にあぐらをかいて飯を食う
そんなSHOPは「過去」になってしまった。
 (私は良いことだと思う)

                 

 だからこれからは「道具」ではなく「文化」を売る
「仕来り」に縛られない柔軟な感性を持たないと
山道具屋は生き残る事は出来ないと思う。