命として

 いつもの山の帰り道

後ろ足を痛め歩けなくなった

カモシカに出会った。


そのカモシカ

私達が遠巻きに過ぎようとしても

全身の力を振り絞り立ち上がり

必死で逃げようとした。



 たとえば悲しい風景だが

車にはねられた犬は死の瞬間まで走り続ける。


 このカモシカの決して生きる事を諦めない姿を

私が仕事で接する希望を見いだせない若い人。

お金があるから働かない人たちに見せたいと思った。


 そして人が観て悲しく思うことでも

自然という神は全てを受け入れ

この命をも決して無駄にはしないと

私は信じている。